武田薬品工業は19日、米ノババックスから導入した新型コロナワクチン「ヌバキソビッド筋注」の製造販売承認を厚生労働省から取得したと発表した。国内では4つめとなる新型コロナワクチンで、初回免疫、追加免疫のそれぞれで使うことができる。対象年齢は18歳以上。武田の光工場(山口県)で生産し、準備が整い次第、順次、出荷を開始する。

 ウイルス抗原となるたんぱく質を昆虫細胞で培養したワクチンで、日本ですでに承認されているメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンなどとは異なる種類となる。組み換えたんぱくワクチンと呼ばれており、子宮頸がんワクチンなどで実用化されている。多くの医薬品同様、2~8度Cの冷蔵保存でよく、通常のワクチンと同じようなかたちで輸送・保管できる。

 ノババックスとのライセンス契約に基づき、武田は技術移転を行い、光工場で年2億5000万回分の能力を目指し、同ワクチンの生産体制構築を進めている。厚労省や日本医療研究開発機構(AMED)からの支援も受けている。国内では武田が流通や情報提供などの業務を担う枠組みとなっている。

 承認したノババックス製ワクチンについて、現在、厚労省は5月23日週からの全国に配送するスケジュールを打ち出している。3回目に、1、2回目とは異なるワクチンを打つ「交互接種」にノババックス製を認めるかについては別途検討していく。

 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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