武田薬品工業は10日、米モデルナから国内導入した新型コロナウイルスワクチン「TAK―919」について、日本人を対象に行った臨床試験で良好な免疫原性や忍容性を確認したと発表した。試験結果は承認申請データの一部として医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出した。厚生労働省は今月中にも同ワクチンを承認する方針だ。

 日本で20歳以上の健康成人200例を組み入れて行った国内第1/2相臨床試験(P1/2)で、海外の臨床試験と同等の安全性と免疫原性を確認した。2回目の接種から28日以内に、すべての被験者で結合抗体と中和抗体が上昇した。重大な安全性の懸念はなく、忍容性もおおむね良好だった。モデルナが米国で行った3万例規模の臨床試験では、発症予防効果を示す有効率が94%を記録し、半年後も90%以上を維持していることが報告されている。

 武田薬品は、海外試験データなどを先に提出して3月に承認申請ずみ。国内試験のデータも出そろったことで、承認審査が最終段階に進む。一部報道によると、今月20日にも厚労省の専門家部会で承認審議される見通し。

 同ワクチンは6月までに4000万回、9月までに1000万回分が供給される予定。来年向けにも5000万回分の供給に向けて政府と協議中。

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