焼き鳥の缶詰の定番といえば「ホテイやきとり」。これがJAXA(宇宙航空研究開発機構)の「宇宙日本食」の認証を取得した。缶詰では魚肉があったものの、食肉は最初の事例。それも宇宙食専用に加工したのではなく、市販品が厳しい条件をクリアした▼宇宙日本食は宇宙空間で飛び散らない、常温で1年以上の賞味期限、限られた設備で調理可能なことが求められる。缶詰なので賞味期限や調理方法は問題ないが、中身もある程度の粘性があるため、飛び散る心配がないと判断された▼ホテイフーズの担当者によると、安全衛生面の管理がとくに厳しいとのことで、JAXAの立ち会いで工場検査が行われた。今回、通常の製造ラインで基準を満たしたとのことで、図らずもJAXAからのお墨付きが得られた▼もともと山本達也社長が中小企業の集まりでJAXAを訪問した際、宇宙分野では中小企業に支えられている部分が多いとの説明を聞き、身近に感じたのがきっかけ。JAXAの依頼に応じていくつかの缶詰を持参したところ、焼き鳥が高い評価を受けた▼宇宙食は栄養補給だけでなく、ストレス緩和の目的もある。宇宙船での作業後、焼き鳥の缶詰を肴にちょっと一杯…という訳にはいかない。いつ緊急事態が起きても対応する必要があるため飲酒は御法度だ。(20・1・17)

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