田村憲久厚生労働相は24日の閣議後会見で、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを1回接種にする可能性について、「日本での薬事承認は2回接種。現行法下の1回接種は制度上、難しい」と話した。1回接種を導入するには、盲検化した治験で十分な効果を立証する必要があるとの見解を示した。
日本でも接種が始まったこのワクチンは、3週間の間隔をあけて2回接種する。英国やイスラエルは1回接種でも高い予防効果を確認できたとの研究報告を公表し、英国は接種間隔を延ばす取り組みも導入した。
田村氏は会見で、接種間隔を延ばすことについても「発症予防効果が低下したり、抗体価の持続期間が短くなる恐れがある」と指摘した。
世界でワクチンの奪い合いが起き、欧州工場で生産される日本向けは輸入の度にEUの承認が必要で、先々の供給計画は不透明。1回にすればワクチン確保のめどをつけやすく、自民党はプロジェクトチームで1回接種検討の議論を進めていく。