田辺三菱製薬は26日、カナダの子会社メディカゴが開発中の新型コロナウイルスワクチン「MT-2766」について、カナダ政府と最大7600万回分の供給契約を結んだと発表した。特定の国と供給契約を結ぶのは初めて。開発費用として同国政府から1億7300万ドル(約137億円)の支援を受ける。政府が具体的な供給契約を結んだ7つ目のコロナワクチン。年内にも最終段階の臨床試験を始める予定。

 カナダ政府によると3800万人分で、全国民分(約3800万人)を新たに確保したことになる。米モデルナ、米ノババックス、仏サノフィなどとも契約しており、ワクチン7種類で最大3億5800万回分を確保した。

 メディカゴは政府から最大1億7300万ドルの助成金を獲得し、MT-2766の開発を加速する。7月から実施してきた第1相臨床試験(P1)が近く終了し、11月からP2、12月からP3を始める予定。来年上半期の実用化を目指す。

 MT-2766は、カナダ企業によるコロナワクチンとしては最も開発が進んでいる。植物由来のウイルス様粒子(VLP)を使ったワクチンで、英グラクソ・スミスクライン(GSK)などのアジュバント(免疫増強剤)を活用することも検討中。米ノースカロライナ州と加ケベック州の2工場で製造する。続きは本紙で

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