神戸製鋼所は高機能抗菌メッキ技術「KENIFINE」が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染力を低下させることを確認した。未処理のステンレス鋼と比較し、ウイルスの感染力が1000分の1程度になるという結果が得られた。同技術の応用に向けて検証を続ける。

 KENIFINEは、同社が独自開発したニッケル合金メッキ技術。抗菌塗装や抗菌ステンレスと比較し、10倍以上の滅菌スピードと菌増殖抑制効果がある。また、カビの生育を抑制する作用は銀系抗菌剤の50倍以上の効果を有する。

 2001年に開発して以来、家電や食品、医療などの産業分野、台所用品などの民生分野に採用されている。近年では粉末やロールコータ成膜技術を開発しており、塗装・スプレー、印刷分野など適用範囲を広げている。

 さらに、インフルエンザウイルスやSARS(重症急性呼吸器症候群)のきっかけとなったウイルスと同族のコロナウイルス(牛コロナウイルス)に抑制効果があることを確認ずみ。

 今回、同技術により新型コロナウイルスに対しても抑制効果があると見込み、第三者機関を通じて効果の有無を目的とした試験を行った。その結果、同技術で処理したステンレス鋼は未処理のステンレス鋼と比較し、96時間経過後のウイルス力価を35分の1~3200分の1にまで低下させたことを確認した。感染力は1000分の1程度になるとの結果が得られた。

 ウィズコロナ、さらにはアフターコロナを見据え、同技術を用いた複数の検証を進めていく。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

エネルギー・素材の最新記事もっと見る