福島県立医科大学は11日、都内で会見し、新型コロナウイルス感染症の抗体医薬品を開発すると発表した。コロナ回復者の血液検体から抗体を取り出すチップを使い、ウイルスに中和活性のある中和抗体を治療薬にする。同大は都内のクリニックと連携してコロナ回復者の献血を行い、研究加速につなげる。

 福島医大は数マイクロリットルの血液検体から大量に抗体を取得できるマイクロアレイシステムを開発した。1回の解析で4000種の抗原に対する抗体を検出でき、抗体を生み出す遺伝子情報も得られる。

 この技術をコロナ薬開発に応用し、関連のウイルス抗原300種以上を搭載したマイクロアレイを作製。すでに回復者37人の血液を用いて抗体の取得を試みている。感染者の免疫状態も測定しながら抗体を取得でき、有望な中和抗体を見つけられる可能性がある。

 福島医大では血液を提供してくれる回復者を年内に100人に広げて、優れた中和活性を示す抗体を探索する。とりわけコロナウイルス抗原に対するIgA抗体の一次防御機能に着目。海外ではIgG抗体などの開発が進むが、IgA抗体が承認されれば世界初という。

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