第一三共は、新型コロナウイルス感染症治療薬として開発中のナファモスタット吸入製剤「DS-2319」について、最初の臨床試験を開始したと発表した。まずは健康成人で安全性などを評価する。試験の実施期間は12月まで。同じ有効成分の注射剤が播種性血管内凝固症候群(DIC)などの治療薬として使われているが、第一三共がコロナ治療用に吸入剤を開発した。

 国内第1相臨床試験をこのほど開始した。20~44歳の健康な日本人男性76例を登録する。同剤を単回・反復投与した時の安全性、忍容性、薬物動態などを評価する。試験期間は12月末まで。安全性などに問題がなければ、新型コロナ患者を対象とする臨床試験を行い、有効性なども検証する。

 ナファモスタットは現在、点滴静注剤がDICや急性膵炎などの治療薬に使われている。東京大学の研究者らが昨年、同剤にはコロナウイルスがヒトの細胞に侵入するのを阻止する作用があると発表。これを受けて第一三共が、コロナ治療用に粉末状の吸入製剤を開発した。原薬は、注射剤の製造販売元である日医工が供給する。

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