米アテア・ファーマシューティカルズはこのほど、スイス・ロシュと開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬「AT-527」の第3相臨床試験(P3)設定を変更すると発表した。P2で主要評価項目を達成できなかったことを受け、対象患者や有効性の評価ポイントなどを見直した。来年下期に結果が出る予定。日本も中外製薬を通じ、試験に参加している。

 両社は軽症患者を中心とする外来患者対象のP2を実施。全体ではプラセボ群よりウイルス量を減少させることができなかった。だが重症化リスクが高い患者に限定すると減少傾向は認められたことなどから、すでに開始していたP3の設定を変更する。

 対象患者は、外来の軽症・中等症患者のうち重症化リスクがある患者に限定する。主要評価項目は症状改善までにかかった日数としていたが、入院・死亡した患者の比率に変更。1日2回を5日間服用する用法は変えないが、用量を2倍にする。目標症例数も約1600人に増やす。

 同じ作用機序で開発が先行する米メルクの「モルヌピラビル」や米ファイザーの開発品なども、同様の対象患者や主要評価項目の設定でP3を実施している。

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