米ノババックスは、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、米国の第3相臨床試験(P3)開始がさらに遅れる見通しを明らかにした。原因は製造体制の準備とみられる。原薬製造を富士フイルムの子会社に委託しているが、米国当局との調整に時間がかかっているもよう。当初は10月中旬にもP3を始める予定だったが、最短でも年末頃にずれ込む。一方、英国で実施中のP3は、すべての症例登録が完了し、年明け頃にも速報結果が出る見込み。

 ノババックスは30日付の声明文で「治験開始に必要な製造関連の手続きを完了するため、米国食品医薬品局(FDA)と緊密に連携していく」と表明。P3開始が「数週間以内」になることも明らかにした。

 当初は10月中旬にも米国P3を始める計画だった。だが量産に向けたスケールアップ準備に時間がかかっているとして、開始時期を「11月中」に延期していた。3万例規模の治験を予定していたが、縮小される可能性がある。

 ノババックスのコロナワクチンは、日本では、武田薬品工業が臨床開発や薬事手続き、製造などを行う契約を結んでいる。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る