米ノババックスは、新型コロナウイルスワクチンの早期開発・製造に向けて、米国政府から16億ドル(約1700億円)の支援を受けると発表した。米政府はコロナワクチンを開発する各社を支援しているが、ノババックスが最高額を獲得した。今秋にも3万人規模の最終試験を開始し、年内に1億接種分を確保する。同社のワクチンは、AGCの米子会社がアジュバント(免疫増強剤)を製造する契約を結んでいる。
 コロナワクチンの後期開発、量産体制を整備する費用として、米保健福祉省(HHS)と国防総省から16億ドルの支援を受ける。米政府は英アストラゼネカ(AZ)のワクチン開発に12億ドルを拠出しているが、これを上回る金額をノババックスが獲得した。
 同社は官民連携パートナーシップ「感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)」からも約3・9億ドルの支援を受けており、累計20億ドルを政府・団体から調達したことになる。
 ワクチンは現在、豪州で第1/2相臨床試験(P1/2試験)中。今月末にもP1パートの速報結果が出て、P2へ進める予定。今秋に最大3万例規模のP3試験を始め、順調に進めば、年内に1億接種分の供給を始める。5月にインドのワクチン企業から工場を買収しており、来年から年産10億接種分以上のワクチン抗原を製造する計画だ。

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