米ファイザーは、新型コロナウイルスの感染阻止に向けて、同業の製薬企業などと積極的に連携していく考えを表明した。すでに治療薬などの開発に自社で取り組んでいるが、外部の研究者向けに創薬リソースを提供したり、後期の臨床開発や生産などで協力して早期の実用化を後押しする。
 同社が現地時間13日付で公表した声明によると、新型コロナ感染の撲滅に向けた「5つの約束」として自社の取り組みを紹介し、他社との連携も呼びかけた。治療薬やワクチンの研究開発で必要になる評価系などをオープンソースで開発し、データなども随時共有する。同社は新型コロナ分野を専門的に担当する社内の人材を集めた「SWATチーム」を立ち上げた。また、自社の臨床開発や生産機能がないベンチャー企業などに対し、ファイザーが後期開発や薬事手続き、商用生産などを引き受ける考えも示している。
 ファイザーも自社で治療薬などの開発に着手している。過去に開発していた化合物のなかから新型コロナに対する有効性が期待される化合物を複数同定し、臨床開発へ進める化合物を絞り込んでいる。ワクチンでは、ドイツの創薬ベンチャー、バイオンテックと協力し、mRNAワクチンの研究開発を始めた。

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