米ファイザーと独バイオンテックは1日、両社が共同開発している新型コロナウイルスワクチンについて、最初の臨床試験の速報データを発表した。感染歴がある患者より、最大2・8倍の中和抗体が作られたことを確認した。両社は今月中にも最大3万例規模の後期臨床試験を開始する予定。

 両社は4種類の新型コロナワクチンを使った第1/2相臨床試験を行っている。このうち最も進んでいる「BNT162b1」の速報データを発表した。3つの用量群とプラセボ群で行っている試験で、最初の45例分の解析結果を報告した。最も抗体価が上がったのは、中用量を2回接種したグループ。最初の接種から28日後の中和抗体は、感染歴がある回復患者よりも2・8倍多かった。低用量群は同1・8倍だった。

 第1/2相試験は、米独で最大560例を登録して実施中。残る3種類のワクチンの試験データも確認した上で、最終的に実用化を目指す1種類を決める。次の第2/3相試験は、今月中にも開始する。症例数は最大3万例。順調に進めば、10~12月期に米国の緊急使用許可(EUA)や薬事承認を取得することも可能と見込む。

 従来よりワクチンの目標供給量を増やし、年内に最大1億接種、来年には12億接種以上を確保する計画も明らかにした。

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