米ファイザーは27日、開発中の新型コロナウイルス感染症治療薬候補「PF-07321332」について、新たな第2/3相臨床試験(P2/3)を開始した。家族などが感染した濃厚接触者に対する予防効果を検証する。日本も参加する。同剤のP2/3プログラムでは3本目のグローバル試験。1本目の試験結果が近く出て、年内に緊急使用などの承認申請を各国で始める予定。

 同剤を1日2回、5日間または10日間服用し、2週間以内の感染予防効果や安全性などを評価する。薬剤が代謝されにくくするため、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症治療にも使われている抗ウイルス剤「リトナビル」の低用量を併用投与する。日米などで2660人を登録予定。

 7月に重症化リスクが高い軽症患者、8月に同リスクが低い軽症患者に対する試験を開始している。来月にも最初の試験結果が出て、年内に各国で申請手続きを始める予定。飲み薬であるため、濃厚接触者の予防的投与にも使いやすい。米メルクが開発中の経口剤「モルヌピラビル」も今月、濃厚接触者に対するP3を開始している。

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