米メルクは11日、新型コロナウイルス感染症治療薬候補「モルヌピラビル」を米国で緊急使用許可(EUA)申請したと発表した。新型コロナに特化して開発された経口治療薬としては1番手の申請。自宅療養者らにも使える飲み薬として承認されれば、コロナ治療の戦略が大きく変わりそうだ。日本でも近く申請する。

 軽症~中等症で、重症化や入院のリスクが高い患者への治療薬として、米食品医薬品局(FDA)にEUA申請した。国際第3相臨床試験(P3)では、入院・死亡リスクを半減した中間解析結果が出ている。日本も同試験に参加した。

 日本でも年内の供給開始を目指し、日本法人のMSDが近く承認申請する。後藤茂之厚生労働大臣は12日の閣議後記者会見で、「企業から承認申請されれば、医薬品医療機器総合機構(PMDA)で優先かつ迅速に審査を行い、有効性、安全性を確認した上で速やかな認可を目指したい」と述べた。

 同剤はコロナウイルスの増殖を阻害するRNAポリメラーゼ阻害剤。1日2回、5日間服用する飲み薬として開発されている。濃厚接触者に対する予防効果を評価するP3も実施中。年内にまず1000万人分の供給量を確保し、各国政府と供給契約に向けて協議中。米国政府とは170万人分の契約を結んだ。

試読・購読は下記をクリック

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

新型コロナウイルス関連記事一覧へ

ライフイノベーションの最新記事もっと見る