米モデルナは、医薬品開発製造受託(CDMO)企業の米ナショナル・レジリエンスと新型コロナウイルスワクチンの製造で提携したと発表した。メッセンジャーRNA(mRNA)を使うモデルナ製ワクチンの原液をカナダの工場で製造する。レジリエンスが先ごろ買収したオンタリオ州の工場で、ワクチンの原液となるmRNAを製造する。開始時期や供給能力などは明らかにしていない。モデルナ製のワクチン原液は主にモデルナとスイス・ロンザで製造されている。今年は最大10億回分、来年は30億回分の供給を目指しており、委託先を拡充して増産を急ぐ。

 レジリエンスは昨年創業したバイオ系CDMO。北米で工場を相次ぎ買収し、ワクチンや細胞治療薬などの受託基盤を構築している。武田薬品工業や米ノババックスでワクチン事業を手がけたラフル・シンビ氏が最高経営責任者(CEO)を務める。

 モデルナは先月、カナダ政府ともmRNAワクチンの製造で協力する覚書を交わし、同国内に製造拠点を立ち上げる予定。コロナや今後の新興感染症に対するワクチンを開発した場合、カナダでいち早く製造できる体制を構築する考え。豪州政府とも同様の提携に向けて協議中。

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