米モデルナは11月30日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、欧米で緊急使用許可(EUA)などを申請すると発表した。米国では今月17日(現地時間)にも承認されて接種可能になる見込み。約3万人を登録した第3相臨床試験(P3)の最終解析では、予防効果を示す有効率が94%超となった。海外で承認審査が始まったコロナワクチンは、米ファイザー・独ビオンテックに続き2つ目。

 米国で実施したP3の最終解析では、コロナに感染(発症)した196例のうち、ワクチン接種群が11例、プラセボ群が185例だった。有効率は94・1%となり、先ごろ発表した中間解析結果(94・5%)と同等の結果を維持した。重症化した30例のすべてがプラセボ群で、ワクチン接種群はゼロ。重大な安全性の懸念はなかった。

 この結果を踏まえモデルナは11月30日付で米国食品医薬品局(FDA)にEUAを申請。FDAは諮問委員会を今月17日に開催予定で、問題がなければ同日にもEUAが出そうだ。条件付き販売承認を申請している欧州でも段階的な承認審査が行われており、12月中の承認取得を期待している。欧米以外の各国も申請手続きを始める。

 モデルナは年内に2000万回分のワクチンを米国向けに用意し、来年には全世界へ5億~10億回分を供給する予定。日本へは2021年上期中に4000万回分、同7~9月期中に1000万回分供給する契約を結んでいる。製造にはCMO(医薬品製造支援)大手のスイス・ロンザが協力。日本の薬事手続きや販売・流通などは、武田薬品工業が行う予定。

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