米モデルナは、新型コロナウイルスワクチン「mRNA-1273」の第3相臨床試験(P3)で、米国で全3万例の症例登録が完了したと発表した。9割近い症例が、2回目の接種も終えた。当局が求める安全性の観察期間を経て、早ければ11月後半にも米国で緊急使用許可(EUA)を申請する。

 モデルナは、米国立衛生研究所(NIH)と共同でP3を米国で実施。計画していた3万例すべての症例登録が完了した。うち85%以上の被験者が、2回目の接種も完了。有効性、安全性のデータを収集してEUA申請を判断する。米国食品医薬品局(FDA)は、被験者の半数が2回目の接種を終えて2カ月以上の安全性データを収集してからEUA申請することを求めている。モデルナのワクチンの場合、最短で11月25日にもEUA申請が可能になる。

 他社のコロナワクチンも数万例規模のP3を行っているが、モデルナが一番手で症例登録を終えた。4万4000例規模のP3が行われている米ファイザーのワクチンも、近く症例登録が完了するとみられる。モデルナのワクチンは、日本に4000万回分以上を供給することで日本政府と交渉中。実現する場合、武田薬品工業が日本での販売・流通を担う予定。

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