米製薬リジェネロン・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルスに対する抗体療法「REGN-COV2」の第3相臨床試験(P3試験)を開始すると発表した。感染リスクが高い非感染者を対象に予防効果を検証する。治療薬としての有効性を検証している臨床試験も後期段階へ進める。また年内の量産開始に向けて、米国政府から4・5億ドル(約480億円)の支援を受けることも決まった。
同社は、ウイルスに対する中和活性が特に高い抗体2つを組み合わせた「カクテル療法」として、新型コロナ感染症に対する抗体療法を開発している。
予防薬としても実用化するため、予防効果を検証するP3試験を始める。感染者の家族など、感染リスクが高い非感染者を約2000例組み入れる予定。
治療薬として先月始めたP1/2/3試験もステージアップした。P1パートで安全性が確認できたと第三者機関に認められたため、P2/3パートへ移行した。夏の終わりごろには速報結果が出る見込み。
米政府から4・5億ドルの支援も獲得した。今秋までに一定量を米国向けに量産することが条件。治療用に7万~30万治療分、予防用に42万~130万治療分が必要になるとみている。