米リジェネロン・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬の臨床試験で一定の有効性を確認したと発表した。ウイルス感染を阻害する中和抗体2種類を組み合わせた抗体医薬。重症ではない自宅療養患者を対象に行った試験で、投与1週間後までにウイルス量が減少することを確認した。症状改善までにかかった日数は5~7日短縮した。試験データを薬事当局と共有しながら、緊急使用許可などの申請を検討する。

 米国で実施中の第1/2/3相臨床試験の最初の275例分の解析結果を公表した。投与7日目時点の体内ウイルス量がプラセボ群より減少した。とくに治験開始時は自己免疫がなく、ウイルス量が多かった症例ほど効果が高かった。症状改善までにかかった日数は、高用量群が平均8日、低用量群が6日で、プラセボ群(13日)を下回った。

 同社が開発しているのは、感染者由来のモノクローナル抗体を投与する治療法。入院患者に対する試験なども行っている。米イーライリリーも最終治験を実施中で、一部の用量群で有効性を確認したことを先ごろ発表した。

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