5月に入って、行きつけのセルフ式そばチェーン店が値上げした。手軽に野菜が取れるので、よく食べている肉野菜そばが500円から540円に。新たにコーンが追加されていたが、それなら値上げ幅を抑えてくれればいいのにと思う▼店側はそば粉をはじめとする原料価格の高騰分を転嫁するためだとしている。調べてみると、そば粉は製粉会社が6年ぶりの値上げを打ち出していた。輸入主力国である中国産の価格が上昇しているようだ▼そばは伝統的な日本食の一つと思っていたが、かなりの量を輸入に依存している。2020年は国内収穫量約4万5000トンに対し、輸入は玄そば(殻付き)、抜き実を合わせると約6万1000トン。玄そばは米国、中国、ロシアが主な輸入元だが、ここ1~2年は中国からの輸入量が大幅に減っている▼業界紙などによると米中貿易摩擦が影響しているとのこと。米国から輸入しているトウモロコシ、大豆といった穀物に補助金を出して国産化に力を入れた結果、農家がそばの栽培から転換し生産量の減少につながってしまったらしい▼いつも何気なく頼んでいる昼食も実はグローバル経済とリンクしていることを実感する。問題はこれから何を注文するかだ。20円値上がりしても460円と割安感がある、かきあげそばに転向しようか迷っている。(21・5・14)

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