新型コロナウイルス感染症に対する抗体医薬の開発が、最終段階に進んでいる。回復患者から得た抗体を活用した治療法で、予防薬としても検討されている。米国立衛生研究所(NIH)と連携し、開発が最も進んでいる米イーライリリー、米リジェネロン・ファーマシューティカルズの抗体医薬が第3相臨床試験(P3)をそれぞれ開始した。

 リリーはカナダのバイオベンチャー企業アブセレラと開発している抗体医薬のP3を開始。NIHによる開発プログラムの一部として、中等症までの患者2000例、入院患者1000例を対象とする試験2本を米国で行う。予防薬としてのP3も始め、介護施設の入居者や施設関係者2400例を組み入れる。1回投与した後の感染予防効果などを検証する。

 リジェネロンも、予防効果を検証するP3をNIHと開始。米国で約2000例を組み入れる。感染者の治療効果を検証する臨床試験2本も進行中で、このほど後期段階(P2/3)に進んだ。実施地域を中南米にも広げ、約2900例を登録する予定。

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