米ギリアド・サイエンシズと米メルクは、新型コロナウイルス感染症が急拡大しているインドに対し、コロナ治療薬の増産や早期供給を支援することをそれぞれ発表した。ギリアドは、コロナ治療薬「レムデシビル」の追加寄付とともに、現地企業7社の増産を支援する。米メルクも、開発中の治療薬「モルヌピラビル」を現地企業5社が製造する契約を結び、承認直後から量産できるよう協力する。

 ギリアドがレムデシビル製造の無償ライセンスを許諾しているインドの製薬企業は7社。各社が同剤の増産に向けた設備拡張などを行っており、ギリアドはこのための技術支援や増設支援などを提供する。現地の供給量が増えるまで数週間かかるため、ギリアドからも45万バイアル分以上のレムデシビルを追加で寄付する。インド政府は国内供給を優先するため、同剤に必要な原料の輸出を今月から禁止している。

 米メルクも、開発中のモルヌピラビルの製造について現地のジェネリック医薬品企業5社と任意のライセンス契約を結んだ。各社が同剤を製造してインドなど低~中所得国約100カ国に供給することを許諾する。まだ臨床試験中の未承認薬だが、緊急使用などが承認された場合は速やかに供給できるようにする。

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