温室効果ガス(GHG)多排出産業である化学産業にとって2050年カーボンニュートラル(CN)実現に向けて乗り越えるべきハードルは高い。一方、二酸化炭素(CO2)分離・回収技術など化学産業が持つ技術が新たな市場を生み出すチャンスでもある。経済産業省における環境政策や技術政策を統括する奈須野太産業技術環境局長に、日本の化学産業がどのようにCNに移行すべきなのか、CN実現のため化学産業が果たすべき役割などを聞いた。

■…CN実現に向け日本の化学産業はエネルギー転換と原料転換などに取り組もうとしています。ただ、そのためのコスト上昇分を価格転嫁できなければ、投資コストを回収できなくなるリスクが生じます。

 「CNは地球規模で進められている政策だ。ある意味、すべての企業の競争条件は同じになる。ある企業のコストが高く、ある企業のコストが低ければ、コストの高い企業の投資回収は難しくなるだろう。ただ、CNをめぐってはすべての企業でコストは上昇するため、コスト競争は生まれないと考えられる。ただ、これはあくまで理屈の上での話だ」

■…欧州のような再生可能エネルギーが豊富な地域と、日本のように再エネ導入適地が限られ、海外から水素やアンモニアなど脱炭素燃料を輸入しなければならない地域では競争条件は変わってきます。続きは本紙で

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