熱波に負けず、映画トップガン・マーベリックを観てきた。第一作のトップガンの公開は1986年であり、わが青春の映画だ。続編となる本作はそれから36年もの月日が経っているのだが、今なお若々しい主演男優の肉体と演技により、そうは感じさせない▼世界的に大ヒット中の本作は、日本の興行収入も好調だ。女性ファンが支えているかと思いきや、中高年男性のリピーターが多いという。CG・VFX全盛期の今日において、登場する戦闘機も、それに乗り込む俳優の飛行シーンも全て実写という、トム・クルーズの頑なさが男心に突き刺さるのだろうか▼戦闘機のパイロットが絶滅危惧種と位置付けられていることも中高年男の心を揺さぶる。ウクライナの反撃を支えたドローン兵器は記憶に新しいところだが、戦争もDX時代。生身の人間が戦闘機でドッグファイトするなんて何時代だよ。そんな声をはねのける反骨心が、スパイスになっている▼CO2をぶちまける大排気量のバイクを乗り回し、訓練の罰ゲームが腕立て伏せ、というのもご愛敬。熱中症やコロナをものともせず、セキュリティ対策や勝手に表示される広告、毎回聞かれるパスワードなんかに煩わされるPCを強制終了し、生身の人間のエネルギーを感じたいという脳味噌筋肉系の同志にお勧めします。(22・8・2)

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