英アストラゼネカ(AZ)は、新型コロナウイルス感染症治療薬として開発した抗体療法「AZD7442」の臨床試験で、高い有効性と予防効果を確認したと発表した。1回のみの投与で6カ月間の発症リスクを8割以上、発症後の治療薬としても重症化リスクを9割近く低下させる結果を得た。すでに申請した米国に続き、各国・地域で申請手続きを進める。

 コロナ未感染者約5200人を対象に同剤を予防的に投与した「PROVENT試験」、軽症~中等症の早期患者約900人を対象にした「TACKLE試験」の最新データを発表した。PROVENT試験では、投与後6カ月時点でプラセボと比較した発症リスクが83%低減し、重症化・死亡例はゼロだった。TACKLE試験では、発症から3日以内に投与した場合、重症化・死亡リスクが88%減少した。両試験とも、被験者の多くは基礎疾患があるなど重症化リスクが高い人だった。TACKLE試験には日本も参加している。

 7442は、コロナ回復者由来の抗体2種類を組み合わせた抗体療法。血中半減期が長く、投与1回で6~12カ月間は体内に残るという。

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