英アストラゼネカ(AZ)は、血液がん治療薬として開発している「アカラブルチニブ」を新型コロナウイルス感染症の治療薬として転用する第2相臨床試験(P2)で、主要評価項目を達成しなかったと発表した。生存率や症状の改善の効果を確認できなかった。日本も同試験に参加した。

 呼吸器症状がある新型コロナの入院患者を対象としたP2でベストサポーティブケア(BSC)に上乗せ投与した場合の有効性などを検証したが、呼吸器不全から回復した患者の比率や生存率をBSC単独に比べ改善できなかった。安全性の問題はなかった。試験は欧米や日本などで行った。

 同剤は成人慢性リンパ性白血病などの治療薬として開発されているが、治療標的の「ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)」が炎症性サイトカインの産生にもかかわると報告されたことから、新型コロナ治療への転用が検討された。先に行われた医師主導研究では、重症患者に対する有効性が報告されていた。

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