あす8月20日は交通信号設置記念日。1931年(昭和6年)、銀座4丁目などに3色灯の自動信号機が設置されたことに由来している。当初は色で停止・進行を指示することが理解されておらず、普及には時間がかかったという。人や車を規制する信号は、しばしば日本人の行動様式を表す対象となる▼元サッカー日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏は「日本人は車が来ないと分かっていても、赤信号だと道路を渡らない」と指摘した。日本人の良さの一つにルールを守ることが挙げられるが、その一方でルールに縛られて臨機応変な対応が下手という側面もある▼夏の暑い時期にマスクをすべきか、はずすべきか。外出時に迷う人は多いのではないか。迷惑をかけない範囲で自らの判断で行動すればいいはずなのに、他人の視線を気にしてしまう▼協調性も日本人の良さとされている。ただ、集団心理が働くことによって、いじめなど悪いことにつながる場合がある。漫才コンビ・ツービートのギャグ「赤信号、みんなで渡れば怖くない」が大受けしたのは、そのような行動に身に覚えがある人が多いからだろう▼協調性といえば聞こえは良いが、実は周囲に同調した方が利益がある、不利益がないという損得勘定だけのような気もする。それが同調圧力を生む原因かもしれないが。(22・8・19)

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