2021年(令和3年)がスタートした。例年ならこの欄で、世界の行方を左右しそうな政治・経済のイベント予定を羅列したり、干支の紹介をしたりするものだ。しかし、今年はどうもその気になれない。新型コロナウイルスの感染がいつ、どのようなかたちで収束に向かうのか。あるいは収束のメドが見えてくるのか。それが全てを大きく左右しそうな情勢だからだ▼とはいえ、丑年生まれの人に恨まれるのも具合が良くない。前言を撤回し簡単に紹介する。今年の干支は辛丑(かのとうし)。「辛」は草木が枯れ、新しくなろうとしている状態、「丑」は種から芽が出ようとする状態を表すという。なにやら新旧の交代を暗示しているようでもある▼有名なことわざに女房と畳は新しい方が良い、というのがある。鮮度にこだわる日本人の特性を表しているようだ。女とワインは古い方が良い、というフランスのことわざと対比され、文化や価値観の違いが指摘されたりする。畳とワインについては、確かにことわざが指摘する通りかも知れない。女房と女は…意見保留▼いま、新旧を対立概念としてとらえたくない。どちらが優れているのか、どちらが勝ちなのか、それをハッキリさせるのは次の年からで良い。今年は新旧も東西も男女も団結し、明るい未来を勝ち取る年だ。(21・1・5)

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