小学校の理科で習う酸とアルカリ。アルカリとは何ですか。あれだよアレ。とっさに厳密な定義を言えず恥をかいたりする。赤いリトマス試験紙が青くなる方がアルカリ。赤信号が青に変わったら歩ける(アルける)からアルカリ、などと覚えたものだ▼アルカリの名はアラビア語に由来する。インターネット上の有名な百科事典サイトにも、やはりそう書いてある。知れば確かにアルもカリもアラビア語の響きである。そして、なぜかアフリカ南部にあるカラハリ砂漠を連想する。ミーアキャットで有名なあの砂漠だ▼雨の日が続くと連想するのはクールファイブの代表曲「長崎は今日も雨だった」である。思わず口ずさんでしまうが、大雨が甚大な被害をもたらす近年は不謹慎で申し訳ない気持ちになる。ところで、同グループの代表曲をもう一曲あげれば「東京砂漠」だろうか。偶然とはいえ雨と砂漠が代表曲とは、なんという取り合わせだろう▼砂漠は不毛の地であり、不必要に思われる。しかし、この地球の大自然を支える機能を持つ。例えばサハラ砂漠は植物に必要なリンを含んでおり、アマゾンの大森林を支えている。プランクトンに必要な鉄分も、大西洋の4分の3はサハラ由来とされる。酸もアルカリもミネラルも化学の範疇。もう一度、基礎から学び直したいと思う。(21・7・6)

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