量子技術を使って複雑な課題を解決しようと世界中が競っている。なかでも量子コンピューターと相性の良い化学計算への取り組みは活発で、光合成のメカニズム解明や電池を長持ちさせたり、発光効率を高める化合物の探索などビジネスに直結するネタが盛りだくさん。より正確に目的の化合物を見つけようとマテリアルズ・インフォマティクス(MI)に使うデータの品質改善も進んでいる。今後はMIのキモである膨大な実験データを自動抽出する動きも本格化してくる見通しだ。材料技術で世界有数の日系企業がこぞってデジタル化を進め、量子技術の習得に励むのは、「ここで中国に負けたら築き上げた強みが瓦解してしまう」との危機感があるからだ。量子コンピューターが本当に使えるようになるのは2050年頃とされるが、そんな先まで待ってられない。カーボンニュートラル(CN)を達成するためにもソフト開発先行で進むしかない。半導体と並び、産業全般に影響を与えるのがマテリアル。それだけに産学官からは、早急に教育のあり方を見直し、「デジタル人材を増やすべき」との声が高まっている。続きは本紙で

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