あす3月14日、JR各社がダイヤ改正を行う。山手線49年ぶりの新駅「高輪ゲートウェイ」開業、東海道新幹線「のぞみ」増発などが話題になっているが、東日本大震災、福島第一原発事故の影響で一部区間が不通になっていた常磐線が約9年ぶりに全線復旧を果たす▼震災で被害を受けたのは福島県いわき駅以北の区間。これまで順次再開してきたが、浪江~富岡の約20・8キロが残されていた。帰還困難区域が設定された双葉・大熊・富岡3町の一部避難指示が解除されたことにともない運転が再開されることになった▼いわき止まりだった特急「ひたち」は仙台に乗り入れることになり、東京圏からのアクセスが回復する。これらの地域は被害が甚大だっただけに帰還住民はまだ少ない。常磐線の復旧が復興の後押しになることを祈る▼1年前には三陸鉄道リアス線が開通した。津波に襲われた南リアス線、北リアス線、JR山田線が一本の線路でつながった。まさしく鉄路が復興のシンボルになったといっていいだろう。沿線の釜石鵜住居復興スタジアムはラグビーW杯の会場となった▼台風19号の来襲によって残念ながら再び不通区間ができてしまったが、3月中には全面再開できる予定となっている。観光需要の回復は見通せない状況だが、新たな街づくりを着々と進めてほしい。(20・3・13)

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