長崎大学とラクオリア創薬は、新型コロナウイルス感染症治療薬創出に向け、共同研究を始めた。既存薬の転用ではなく、新たな治療薬の創出を目指す。ラクオリア創薬が候補化合物の選定と合成を行い、長崎大が持つウイルス関連実験技術でそれらを評価、同定する。長崎大熱帯医学研究所助教の櫻井康晃氏は、「感染者体内でのウイルス増殖を強力に阻害し、病気の発症や重症化を抑制する化合物を早期に創出したい」とした。

 目的とする化合物の詳細は明らかにしていないものの、ウイルスの増殖を阻害する作用機序を有する治療薬を開発する。具体的なスケジュールは、現段階では未定。同大ではすでに新型コロナウイルスの研究も行っており、こうした点も強みになるとしている。

 長崎大は感染症分野に強く、細胞や動物を用いたウイルス研究のノウハウを豊富に持つ。一方、ラクオリア創薬は低分子化合物の創薬を得意とし、目的に沿った化合物のデザインと合成を迅速に行えるという。両者は以前より感染症領域で共同研究を行っており、新型コロナウイルス感染症治療薬の創出でも協力する。

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