一昨日の朝、自宅近くで小学生が登校する姿を見かけた。市の教育委員会が新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を徹底したうえで登校日を設け、修了式を実施するとの通知を出した。いつもより少し遅めの時間だったのは、対策の一環として学年ごとに時間をずらす分散登校だったためだ▼横断歩道で登校を見守るボランティアの方々も久しぶりの出番となった。たとえ一時であっても日常のあるべき風景が戻ってきたことに何となく安堵した▼安倍首相が春休みに入るまで臨時休校を要請したのが1カ月前の2月27日。突然のことで戸惑った家庭はさぞ多かったことだろう。在宅勤務をする人は食事など子供の世話もしなければならないため、思ったほど仕事がはかどらなかったかもしれない▼生徒・児童は学校に行けず部活も中止。だからといって自由には遊べない。このところ朝にジョギングをしている中学生をちらほら見かけるようになった。運動不足を解消したいのか、それとも気晴らしだろうか▼ニュースはコロナ関連ばかり。小池都知事は外出自粛を要請した。社会全体が閉塞感に包まれ、出口は見えてこない。しかし、非日常であればこそ普段見えていなかったことが見えてくるかもしれない。この状況を前向きに捉えて何とか良い方向に変えていく機会としたいものだ。(20・3・27)

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