電炉に使われる黒鉛電極の需給バランスに“歪み”がみられる。2019年下期(7~12月)以降、米中貿易摩擦による世界経済の低迷とコロナ禍によって需要は大きく後退したが、回復の展望が来年をめどに開ける一方、欧州を中心とした局地的な価格競争、原料のニードルコークスでくすぶる先安観が市況回復の重しとなっている。低市況が続くと、大規模な減産を実施しているとみられる電極メーカーの、稼働を再び上昇させる意欲を削ぐことになる。これは、需給ひっ迫や価格の急騰を招く可能性を高めるだけでなく、ニードルコークスを含め、事業の継続性も損ないかねない。サプライチェーンの健全化に向けた道筋を着実にたどるかどうか、21年にかけての黒鉛電極の需給、価格動向が重要な転機となる。続きは本紙で

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