◆日産化学

 日産化学の2020年3月期決算は売上高、各段階利益とも過去最高を更新した。機能性材料、農業化学品の両部門が好調を維持し、化学品、医薬品の両部門の不振を補った。売上高は前期比0・9%増の2068億円、営業利益は同4・2%増の386億円、経常利益が同2・3%増の400億円、純利益が同4・8%増の307億円だった。

 売上高で5年連続、営業・経常利益で6年連続、純利益で7年連続の最高更新となる。ディスプレイ材料、半導体材料がともに好調だった機能性材料と、新規殺虫剤「グレーシア」が大きく伸長した農業化学品がともに増収増益となった。化学品部門と医薬品部門は減収減益となった。化学品は合板用接着剤原料となるメラミンの市況悪化などが響いた。医薬品は高コレステロール血症治療薬「リバロ」原薬の海外販売が落ち込んだ。

 今期は売上高2145億円、営業利益393億円、経常利益404億円、純利益308億円といずれも過去最高の更新を見込む。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響は織り込んでいない。

◆バルカー

 バルカーの2020年3月期決算は、シール製品、機能樹脂製品とも販売減となり、売上高は前期比5・9%の減収となった。利益面も営業利益が同24・9%減、経常利益が同26・5%減、純利益が同28・6%減となった。今期業績予想は新型コロナウイルス感染症の収束後、対応策も含めて公表する。

 シール製品事業は半導体関連や石化プラント向けなど全般的に販売減となり、売上高は同4・5%減の320億7100万円、セグメント利益は同24・5%減の33億6000万円。機能樹脂製品事業も先端業産や機器向けが減少し、売上高は同8・6%減の130億8900万円、セグメント利益は同28・7%減の5億5400万円となったほか、その他事業もシリコンウエハーリサイクルの受託量減少から減収減益となった。(14日発表) 

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