◆AGC

 AGCの2020年1~3月期決算は減収増益となった。新型コロナウイルスの影響でガラス部門の収益は悪化したものの、電子部門やライフサイエンスなどの伸びがこれをカバーした。新型コロナを背景に未確定要素が多いため、通期業績予想を取り下げた。ガラス部門は各地で設備の稼働調整があり第2四半期も当初想定を下回る見通し。1~6月期の業績予想を売上高6500億円(当初予想7500億円)、営業利益250億円(同500億円)へ修正した。

 1~3月期の営業利益は前年同期比7・0%増の223億円、純利益は同13・4%減の135億円、売上高は同1・1%減の3575億円。新型コロナに関連したマイナス影響は売上高で100億円、営業利益で30億~40億円となった。

 影響が大きかったガラスでは、世界的な自動車産業の落ち込みにより自動車用ガラスの販売が減少。中国や欧米では稼働調整を実施した。建築用も欧米を中心に悪化した。

 化学品と電子は増収増益を確保。化学品はカ性ソーダの価格下落があった一方、エレクトロニクス向けのフッ素製品や合成医薬関連のCDMO事業が伸長した。電子では主にテレビ用の第11世代向け液晶用ガラス基板が拡大。カメラの搭載数が増えているスマートフォンに使われる部材やEUV露光用フォトマスクブランクスの出荷も増え、利益の伸びが大きかった。

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