◆JXTGホールディングス

 JXTGホールディングス(HD)の2020年3月期決算は、1130億円の営業赤字(前期は5370億円の利益)に転落した。原油価格が急落し石油・石油化学製品の在庫評価損(2098億円)が膨らんだことが響いた。20日に会見した杉森務社長は「第4四半期(1~3月)に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が広がった」と説明。在庫影響を除く営業利益も、石油・石化製品のマージン縮小などから前期比81%減の967億円だった。今期はコロナの影響が不透明としつつ、上期は足元の状況が継続する前提で、営業利益1100億円、純利益400億円と黒字転換を見込み、在庫影響を除く営業利益も1650億円と増益を予想している。

 20年3月期の売上高は前期比10%減の10兆117億円、最終損益は1879億円の赤字(前期は3223億円の黒字)だった。

 在庫影響を除く営業損益をセグメント別にみると、主力のエネルギー事業は前期比88%減の437億円だった。前期にあった培地事業売却益の反転に加え、パラキシレン(PX)を中心とする石化のマージン悪化が大きく、石化事業は190億円の営業赤字だった。石油・天然ガス開発事業も原油価格下落の影響が大きく、388億円の赤字(前期は378億円の黒字)だった。銅などの金属事業も資源価格下落のなか、30%減の479億円と減益を余儀なくされた。

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