◆コスモエネルギーホールディングス

 コスモエネルギーホールディングスの2020年3月期決算は減収減益だった。石油製品・石油化学製品の低調な市況の影響を受け、在庫影響除き経常利益が前期比36・2%減の685億円となった。また、原油価格の急落を受け522億円の在庫評価損が発生し、282億円の純損失に陥った。21年3月期の業績予想では在庫影響除き経常利益を300億円と見込んだ。

 20年3月期の売上高は同1・2%減の2兆7380億円、営業利益は同85・3%減の138億円、経常利益は同83・2%減の162億円だった。

 本業の石油事業の経常利益(在庫影響除く)は、同82・3%減の44億円だった。国際海事機関(IMO)の新規制に伴う低硫黄油で40億円ほどの利益を確保したものの、その他の石油製品のマージンが悪化した影響を受けた。石油化学事業は販売数量が増加したものの、製品販売価格が下落し66%減の52億円だった。

 今期の業績予想では、新型コロナウイルスの影響から、国内全体のガソリン需要が前年比16%減少すると想定した。しかし同社のガソリン販売計画では、提携先であるキグナス石油への供給量拡大の効果を織り込み、前年比1%減程度にとどまると見込んだ。一方、石油化学事業は「パラキシレンなどの市況の悪化で50億円程度のマイナスの影響を受ける」(植松孝之取締役常務執行役員)ことなどから、25億円の経常損失(在庫影響除き)に陥ると予想した。

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