ホテルや旅館の朝食はいつもよりおいしいと感じる人は多いのではないか。バイキングであればメニューが豊富なうえ、好きなものを好きなだけ…というのもつい食べ過ぎてしまう要因だろう▼あす8月1日は「バイキングの日」。帝国ホテルが62年前の1958年(昭和33年)のこの日に始めたことに由来している。ホームページをみると北欧の伝統料理“スモーガスボード”を参考にしたとされており、バイキングの名称は当時上映されていた海賊映画の題名にちなんだようだ▼昼1200円、夜1500円と宿泊料金とあまり変わらない値段にもかかわらず行列ができるほどだったという。伝統を重んじる格式高い一流ホテルとは思えない斬新な挑戦だっただろう▼気になるのは余った料理の行方だ。帝国ホテルはフードロス対策として残った食べ物を乾燥させる装置を地下に設置して、パートナー企業を通じて肥料にしている。その肥料で栽培した野菜や米を購入する循環型リサイクルに取り組んでいる▼バイキングは「3密」になりやすいため4月から休止していたが、あすから時間・客数を制限して再開する。タブレット端末で注文しオープンキッチンから席まで料理を届けるスタイルに変更する。ニューノーマル時代に対応する新たなサービスは受け入れられるだろうか。(20・7・31)

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