開示日程が相次ぎ延期され、説明会はウェブ方式が主流となった今年の3月期決算発表もピークを過ぎた。しょうがないと思いつつ、いつもと勝手が違う場面に、報じる側も試行錯誤だ。これまでとは異なる形となった企業の決算発表だが、日本はやはり国の会計年度に倣って4月スタートが多い▼その会計年度は、税収の大部分を頼っていた米の収穫時期を考慮したり、財政赤字の解消を狙って月数を調整した結果、今の期間に落ち着いたらしい。9月からの学校年度が一般的な欧米でも農業が大きく関係するといわれる。かなり前の話だが、家族総出で収穫を行う7~8月が過ぎ、農閑期に入る9月が都合良かった▼休校が長期化している緊急事態宣言対象地域の小中高。オンライン授業も行われているが、双方向でやり取りできる学校は限られる。対象外の学校は正常化したところもあり、差が付かないか懸念されている。3月から続く休校の代償は大きく、夏休みの短縮など様々な対策が検討されている▼会計年度は各国ばらばら。かつて自民党政調会長だった田中角栄が1~12月に変更しようと考えたが、大蔵省などが反対し見送られた。国際基準とされる9月入学も度々話題に上るが、実現には課題が多い。「小学校開校の日」の今日を迎えるに当たり色々考えさせられた。(20・5・21)

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

精留塔の最新記事もっと見る