日本医療研究開発機構(AMED)は19日、新型コロナウイルス対策の支援対象プロジェクトを決定した。国立感染症研究所(感染研)と東京大学医科学研究所の合計4件。診断法、治療法、ワクチンの3課題についてそれぞれ指定した。成果が出た案件については来年度以降も支援し、企業へのライセンスアウトなどを通じて早期実用化を目指す。
 AMEDが持つ調整費などを活用して実施する。13日に政府が打ち出した方針の中で診断法、治療法、ワクチンの開発を「直ちに開始する」と位置付けており、今回の取り組みはその一環となる。
 診断法では、感染研の鈴木忠樹感染病理部長を代表とするプロジェクトを選んだ。迅速診断キット開発に関わる基盤技術、プロトタイプ、血清抗体診断系の開発にそれぞれ取り組んでいく。
 治療法は「新型コロナウイルスの増殖機構の理解と治療剤開発に関する研究」をテーマに、感染研の竹田誠ウイルス第三部長を代表とするプロジェクトを支援する。感染機構の解明と構造生物学的データを基盤に進め、化合物スクリーニングなどを通じて感染阻害分子を探索し、治療薬の創製につなげる。
 ワクチンは、感染研の長谷川秀樹インフルエンザウイルス研究センター長と、東大医科研の河岡義裕教授を代表者とする2件が対象。河岡教授の場合、動物モデルを確立した後、感染者から採取したヒトモノクローナル抗体が治療用抗体として効果があるか探る。遺伝子ワクチンも掲げており、開発・検証を推進する。

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