CBCは新型コロナウイルス対策商品の提案を本格化する。コロナ感染者が増加する状況において、7月に発売した簡易陰圧システムは室内に設置することでウイルス感染防止に寄与できることから介護施設や病院への提案を強化する。また10月に発売した新型コロナウイルス抗体検出キットは、完全国産型という特徴を生かし企業を主な対象として販売を進めていく方針だ。

 CBCのニュービジネスデパートメントでは、同部門で企画・開発した商材のイングスカンパニーでの製造および外部企業への製造委託、そして既存商材の販売代理店権取得による販売という3つの取り組みを進めている。同部門ではコロナ発生以降、その対策商材として各種製品の開発や販売に取り組んでいる。

 簡易陰圧システムはSISM(埼玉県戸田市)が製造する装置で、CBCとの共同で製品化し7月に発売した。主装置を床に置き既設の排気口や窓に排気管やフレキシブルダクトをつないで家庭用コンセントに接続すれば稼働する。床への固定工事が不要で、窓や給排気口があれば簡単に設置でき室内を陰圧にすることができる。

 病院などの施設ではウイルスが外部に漏れないよう空調を陰圧にする必要があることから、院内感染防止に取り組む病院や介護施設への販売を見込む。とくに介護施設への導入については需要が多いことから、ニュービジネスデパートメント内の介護事業グループのルートを通じて提案を強めていく考え。

 一方、新型コロナウイルス抗体(IgG)検出キット「クオリサーチ COVID-19 IgG LF」は、CBCが出資しているベンチャー企業のセルスペクトが開発した研究用キット。海外産キットはすでに数多く販売されているが同キットは国産で、国内での臨床症例から得られた最適な検出・不検出の基準になる閾値(しきいち)を実装していることが特徴。ELISA法での定量的な測定結果をベースに明瞭な検出基準を設定している。同キットの価格は1個3500円でPCR検査に比べ低価格かつ簡便に検査ができることから、企業内での定期的な検査への利用を見込んでいる。

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