カーボンエコプロダクツ(東京都江戸川区、CEP)は、抗菌・抗ウイルス向けナノプラチナ溶液の普及拡大を推進する。新たに米国コロラド州立大学バイオラボ(CSU)による試験でCOVID-19ウイルスに対する有効性を確認した。経済の回復に向けてコロナ対策が求められるなか、その優れた性能を幅広く訴求する。現在、抗菌ボード(商品名・プラチナカーボン)と抗菌スプレー(同プラチナヴェール)を展開しているが、同社では海外を含め原液の供給を新たに検討する考え。

 プラチナ(白金)は自動車の排ガス浄化触媒に用いられるなど優れた活性を有する貴金属。ナノプラチナ溶液は、その粒子を10ナノメートル以下まで微細化したすることで抗菌・殺菌性能を維持しつつ低コスト化を実現したもの。アルコールや次亜塩素酸と同等の殺菌効果を有するとともに、ナノプラチナ粒子が物質表面の細孔などに付着することで優れた持続性を発揮する。一般的に金属イオンは残留による健康被害が懸念されるが、プラチナは抗がん剤として用いられるなど体内残留時間が比較的短いため広く使われている。

 COVID-19ウイルスに関する試験は、米国疾病対策センター(CDC)の実験施設であるCSUで行われた。10倍に希釈したナノプラチナ溶液を塗布したポリエステルと綿布にウイルスを滴点し、25度Cで2時間静置したのちにプラーク法により効果を確認したところ、感染性を持つウイルスが検出されなかった。また、ナノプラチナ溶液を塗布したポリエステルおよび綿布の上でウイルスを培養する試験により、ナノプラチナ溶液に接触後にウイルスが不活性化されることを確認している。

 同社は間伐材を利用した低湿炭素材とナノプラチナを使用した環境衛生改善商品のメーカー。ナノプラチナカーボン粒子を炭素材気孔内に担持配合圧縮成形したプラチナカーボンは消臭、除菌・抗菌、抗ウイルス効果から50カ所以上の医療施設で採用されている。また、スプレー製品のプラチナヴェールは携帯用(50ミリリットル、100ミリリットル)および500ミリリットルサイズの家庭用・業務用を取り揃えて展開している。

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