新年早々、米ラスベガスで開かれる大型見本市「CES」。コンシューマー・エレクトロニクス・ショーの名が示す通り、以前は家電が主役だったが、昨今は自動車が存在感を示している。モビリティーの新たな潮流「CASE」を実現するにはエレクトロニクスが不可欠なことが背景にある▼今年のCESで注目を集めたのは何といってもソニーグループ。新たにSUV型の電気自動車(EV)を披露しただけでなく、今春に新会社「ソニーモビリティ」を立ち上げてEVの市場投入を本格的に検討すると発表。ソニーのEV事業化が現実味を帯びてきた▼CMOSセンサー、スマホ開発で培った通信技術で自動運転を支援し、ゲーム、音楽といったソフトで車内空間をエンタテイメント化する。得意技術を駆使することによって魅力的なEVに仕上げるだろう▼外観が白色や黒色に変わるユニークなコンセプトカーを発表したのはBMW。Eインクの電子ペーパー技術を利用したもので、暑い日は白色にして太陽光を反射し寒い日は黒色にして太陽光を吸収して省エネに貢献する▼先端技術を取り入れてクルマはどんどん進化していく。電動化によってソニーのように異業種参入も増え、激しい競争は必ずや再編を招く。10年先の自動車産業は果たしてどのような姿になっているだろうか。(22・1・14)

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