新型コロナウイルスの感染拡大が国内外の経済活動に大きな影響を与えるなか、官公庁、企業を問わず、業務や働き方を見直し、これまで以上に安心・安全に公務・事業を維持することが重視されている。エレクトロニクス商社は現在、新型コロナを含む感染症対策として各企業にITソリューション導入を働きかけており、なかには期間限定での無償提供を試みる企業もある。各社が長年蓄積してきたエレクトロニクスおよびITの知見を駆使し、コロナ対策に貢献する、さまざまなシステムを提案しているようだ。
 その一例として、SCSKは「新型コロナウイルス対策ITソリューション」を各種提案している。コロナ下における企業の事業継続に向けた対策のなかで、オールクラウドコンタクトセンター「PrimeTiaas(プライムティアーズ)」の在宅勤務オプションと緊急用発注データ提供サービスを9月30日まで無償で提供する。また企業の在宅勤務体制への移行を支援する「ProActive for SaaS(プロアクティブ・フォー・サース) 給与明細閲覧システム」は同期間、月額使用料を無料とし、導入および環境構築も特別価格で提供するという。
 一方、新光商事は、感染症対策ソリューションとして「非接触」「除菌・殺菌」「3密を避ける」「体温測定」をテーマとして、空中ディスプレイ「AIplay(AIプレイ)」や遠隔作業支援ソリューション、赤外線サーモグラフィー、光触媒環境浄化装置などの商材・サービスを提供している。
 日商エレクトロニクスが提案するソーシャルディスタンスカメラは、AI(人工知能)の3D空間認識技術により、小売店や公共施設などで屋内外の人の数、人の間の距離を認識し、混雑レベルを判定できる。消費者がスマートフォンなどからプライバシー保護された画像を確認することも可能だ。密集・密着が起こりやすい、さまざまな業種・施設での活用を見込む。
 佐鳥電機は、食品市場向け店舗ソリューションを展開している。IoTを活用した新たな調理システムと環境センサーによって店舗コントロールを行うもの。同社は、ウィズコロナ時代に適応した非接触型の感染防止対策として提案を進めていくとしている。
 現在のところ治療薬やワクチンは登場しておらず、新型コロナとの闘いは長引く可能性がある。各企業・機関には、このような各種の新型コロナ対策法をうまく活用することにより、安心・安全な環境を確保するよう努めてもらいたい。

記事・取材テーマに対するご意見はこちら

PDF版のご案内

社説の最新記事もっと見る