米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、新型コロナウイルスワクチンの製造について米メルクと提携すると発表した。同ワクチンは米国で緊急使用許可(EUA)されたものの、現状の製造能力では供給不足になるとして、米政府が外部委託などによる増産を後押ししている。
 メルクの米国工場で、J&Jのコロナワクチンの原液製造から製剤化まで行う。メルクは自社によるワクチン開発の中止を先ごろ発表し、他社のワクチン製造に協力する考えを示していた。J&Jのワクチン製造に協力する企業はメルクで9社目。先月には仏サノフィも提携を発表し、仏工場で充填・包装を受託する。J&Jは、今年中に全世界へ10億回分以上供給し、うち1億回分は6月までに米国へ配分する計画。
 メルクの製造協力は、米政府の強い働きかけもあった模様。バイデン米大統領は2日、J&Jのワクチン製造が当初の計画に追いつかず、メルクの増産を後押しする考えを明らかにした。増産分は米国向けに使われる見込み。同大統領は先月、米国内で製造されるコロナワクチンに対して「国防生産法」を発動し、各社のワクチンを増産し、優先的に米国供給することを命じている。

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