KMバイオロジクスは25日に開催した記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの開発戦略について説明した。先ごろ開始した第2段階の臨床試験(治験)と年内にも始める追加接種治験のデータなどを根拠に、来春にも追加接種用ワクチンとして承認申請を目指す。乳児まで含めた小児対象の治験や、季節性インフルエンザワクチンと組み合わせた混合ワクチンも開発する。

 同社はコロナワクチン「KD-414」の第2/3相臨床試験(P2/3)を先ごろ開始。約2000人登録して免疫原性や安全性を検証する。年内には追加接種用の治験、今年度中には既承認ワクチンと比較する大規模なP3も始める予定。

 当初はP3の結果がまとまる2023年度の承認申請を計画していたが、まず追加接種用で実用化を図る。順調に進めば来年2、3月頃にはP2/3と追加接種治験の速報結果が出揃う見込み。永里敏秋社長は、「われわれの希望的観測に基づく目標」としながらも、これらを提出して来春から来夏に承認申請したい考え。

 来春には小児向けの治験も始める。まず10代後半の年齢層から始めて用量を調整し、最終的には生後6カ月の乳児まで拡大できるか検討する。

 季節性インフルとの混合ワクチンも開発する。同社はインフルワクチンを製造販売してきた実績があり、複数のワクチンを混合する技術も得意分野。永里社長は「インフルもコロナもやっている会社はあまりない。当社がぜひ混合ワクチン化したい」と話した。

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