KMバイオロジクスは9日、同社が開発を進めている新型コロナウイルス不活化ワクチン「KD-414」の新たな臨床試験を開始したと発表した。同社は国産不活化ワクチンを新たな選択肢として供給することを目指しており、臨床試験は同じ明治ホールディングス(HD)傘下のMeiji Seika ファルマと共同で進める。

 小児を対象とした第2/3相臨床試験(P2/3)を4月28日に、成人を対象とした国際共同P3を同30日に開始。数例の被験者に対し初回接種を行った。

 小児P2/3では、生後6カ月以上18歳未満の小児600人にKD-414を接種する。免疫原性、有効性、安全性を評価するとともに、接種用量と回数の選定を目的とする。新型コロナワクチンで5歳未満を対象とした臨床試験の実施は国内初となる。

 成人P3では、18歳以上40歳以下の750人を対象にKD-414を接種し、免疫原性、有効性、安全性を評価する。日本とフィリピンの計30施設程度で行い、英アストラゼネカ製コロナワクチンを2回接種した750人を対照群とする。

 不活化ワクチンは、感染力を失わせたウイルスを精製して製造される。接種後の副反応が比較的少なく、長年インフルエンザや日本脳炎ワクチンの製造に採用されている。変異株が出現した場合の切り替えも迅速かつ容易に行うことができる。

新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)

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