KMバイオロジクスは21日、開発中の新型コロナウイルスワクチン「KD-414」の国内第1/2相臨床試験(P1/2)の結果を公表、成人、高齢者ともに有効性が確認できたと発表した。これを踏まえ、早ければ来月にも国内で最終治験(P3)に入りたい考え。併せて、実用化の目標時期も2022年度内に1年前倒しし、供給体制も整えていく。

 20歳以上65歳未満の健康成人105人、65歳以上の高齢者105人を対象に高容量、中容量、低容量、プラセボのそれぞれを設定し、国内P1/2を実施した。1回0・5ミリリットルずつ2回、27日の間隔をおいて筋肉接種を行った。

 免疫原性についてみると、高容量群で最も高い中和抗体陽転率と中和抗体価が認められ、一定の有効性が期待できるとした。また、若い年齢層ほど高くなる傾向を示した。一方、副反応については接種部位の痛みなどが生じたものの、発熱者は1人にとどまり、一般的な不活化ワクチンと同等の安全性だとした。

 これを受け、同社は来月にも2500~3000人規模の国内P3を始めたい意向だ。さらに未成年を対象としたワクチン開発も視野に入れ、承認を目指していく。今後、デルタ株などに対してもP1/2で採取した検体を使い、薬効評価を進めていく方針も掲げた。

 414は、同社が国立感染症研究所(感染研)などと開発に取り組んでいる不活化ワクチン。先行するワクチンとは異なる作用機序を持つため、接種を見合わせている人への新たな選択肢を提供し、接種率向上への寄与も見込む。

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